前回、実家の解体というサブタイトルで書いてましたが、最初はそのことを書くつもりで書き始めていたのですが、結局遺品整理の話になっちゃってたので、タイトル修正しました。解体の具体的な話はひとまず置いておいて、今後は時系列に沿って、まずは建築会社の決定までについて書こうかと思います。
実家の土地に古い家を壊して建て直すということについては、定年退職前はあまり想定していなかったこともあり、注文住宅で家を建てることについて下調べしていたわけでもなく、ほぼゼロからのスタートになってしまいました。当然、どこかにお願いして建ててもらわなければいけないわけですが、もうそこからよくわかっていないw。ただ、基本的な方針は決めていて、①特にこだわりはないので、リーズナブルなので十分 ②ただし、親の晩年を見ていたことと、私自身膝に爆弾を抱えていることもあって、平屋一択 ③祖霊舎(うちは神道なので、仏教で言うと仏壇です)を置くので畳スペースは欲しい ④せっかく注文して建てるので、長年憧れだった暗室があればいいなぁ といったものでした。以前書きましたが、最初に半分試しで話を聞きに行ったのが、実家近くに平屋の規格住宅のモデルハウスを展示していた地元の住宅会社A社でした。ですが、いきなり結構な見積額を提示されてしまい、こりゃあと3社ぐらいは見積取って比較しないとだめだなと。
工務店とハウスメーカーの違いもわからなかった私(汗)
住宅会社と書きましたが、そう、当時の私は、工務店・ハウスメーカー・設計事務所といったものがどう違うのかさえ知らなかった。どの程度のレベルだったかというと、ハウスメーカーより工務店の方がグレードが高くて高価格というイメージ。もう、工務店と設計事務所がごっちゃになってしまっていました。今は、一般的には工務店の方が低価格という認識ですが、当時は、工務店=オーダーメードの高級スーツ、ハウスメーカー=既製服と思っていて、当然、本格的に検討しようとまわり始めたのはハウスメーカーの方でした。ハウスメーカーにも中心となる価格帯というかグレードがあるだろうことは予想していたので、ここはネットやオンライン雑誌などで調べて、大手のローコストハウスメーカーB社と大阪圏中心の中堅ハウスメーカーC社、それと私がかつて働いていた会社のグループ会社D社のハウスメーカーの3社の展示場を予約して話を聞いてみました。(B社、C社、D社と書いてますが、今後も最終的に建築会社が決まるくだりまでは、アルファベット表記で記載します。決める話になった段階で、ここはいいなと最終的に残った2社について社名を公開したいと思います。)って、これ、巷ではやってはいけない「いきなり展示場へ行く」パターンだそうですが、私の場合は、B社C社とも営業担当者のレベルが高くいろいろ参考になったので結果オーライ。ちなみに、D社は営業にまったくやる気なし。さすが、元勤めていた会社のグループ会社だけありますわ。まぁ、予想してましたけど(苦笑)。ということで、D社は早々に除外です。
フリーの間取りソフトでざくっと間取りをつくってみる
住宅展示場で話をするにあたっては、上に書いたおおまかな要望と予算額、それとざっとした間取りを準備しました。間取りは、ネットで適当に間取り作成ソフトを探して、フリーで使える「せっけい倶楽部」というもので作りました。フリーなのでいろいろ制限があるんですが、最低限の間取りイメージが描ければいいや、で作ってます。(家具等が限られたパーツしか使えない、部屋の名称が変えられないとか制約あります。おかしな表示になっているのはそのためです。)さて、なーんにもわかってない私が、最初に描いてみた間取りがこれです。土地の敷地面積は30坪、建ぺい率は60%なので、建坪18坪で作成してます。ちなみに、駐車場はないです。一応、軽自動車が止められるぐらいのスペースは残してありますが、自転車洗車用スペースのつもり。将来売却することとかは無視してますw。死ぬまで快適に過ごせれば、それでいいのです。

いやぁ、今見るとひどいもんです。ツッコミどころ満載、というか、ツッコミどころしかありません(汗)。いまさらコメントする気にもなりませんが、洗面・脱衣(ランドリールーム)に結構な面積があるのは、暗室を兼用しているからです。ちなみに、暗室というのは、フィルム写真のネガからプリントする作業を行う場所で、必要な要件は、完全な遮光状態(作業時は低感光用に赤く薄暗い光を付けますが、それ以外の光は入ってきてはいけません。)、水回り、流し台、空調、換気です。ランドリールームと相性がいいので、面積節約のため兼用でと考えました。遮光優先で窓はなしです。また、出入りする際の光漏れもご法度なので、出入り時の緩衝空間として、納戸のような小さな一部屋を介してます。それ以外はもう適当。キッチンにいたっては、当時住んでいた賃貸マンションのイメージそのまんまです(苦笑)。
で、このダメ間取りをもとに、最初に概算見積をもらったC社の間取りを参考に、他社参考用に私が書き直したのがこちら。(なので、提案いただいた間取り図はもちろんちゃんとしたやつです。これは、他社に提示するために、その間取りをもとに私がフリーソフトで描いたものです。)

そして、さらにこの間取りをもとにB社の営業担当者と話をしてできた間取りがこちら。この会社は、営業担当者が間取りを作るので、対面で話をしながら、その場でどんどん間取りを修正してくれました。このころには、私もイメージがだいぶ湧いてきたのと、土地のあるところが準防火地域で、準耐火で建築すれば(基本的に、準防火地域だと準耐火でしか建築しないというのはB社、C社共通の社内ルールでした)建ぺい率70%までいけるということで、南北方向に余裕を持たせています。

この間取りでは、暗室用の遮光緩衝地帯として廊下を採用しています。これには理由があって、暗室を簡易撮影スタジオ(物撮り用スタジオ)としても使いたいなという考えが出てきて、そうすると流し台の上に板を置いて撮影台とし、三脚を立てて撮影するのにディスタンス(距離)が足らず、廊下部分まで使って撮影することを想定しています。廊下に三脚を立てて撮影することになります。なので、扉も引き戸となってます。え?方位表示が逆だろうって?いえ、これで合ってます。周辺環境を考慮してセオリーを無視した北向き採光の家です(笑)。ま、これについては、また後でお話します。キッチンは対面キッチンですが、もともと対面キッチンへのこだわりなんかは皆無だったのですが、キッチンで作った料理を配膳のためにいちいち持って回るというのだけは絶対嫌でした。なので、ここも、キッチンからそのまま向かいのダイニングテーブル側へ、飲食店のカウンターのごとくできあがった料理を受け渡せるイメージです。このスタイルだけは絶対譲れないものでした。あとはまぁこんなもんかな、と。もともと小さな平屋ということもありますが、基本ラインはこの間取り配置に落ち着きました。
B社とC社、出てきた見積に再び青ざめる
さて、基本的な間取りも決まったので見積も出てきたのですが、その金額を見て再び青ざめました。想定している予算の上限いっぱいで、なんかあればオーバーしてしまうような金額でした。私の予算想定が甘かったというよりは、やはり、コロナ禍を経てのウッドショックやら人手不足やら資材価格上昇の影響はとても大きく、定年前に調べていた相場よりも3割近く上がっていたからというのが原因かと思います。このまま予算上限ギリギリで行くのか悩みましたが、あと数百万円でも下がれば、65歳の年金支給までいろいろと余裕が出てくるので、もうひと頑張りしてさらに2社程度見積を貰おうと考えました。で、この段階になって、ようやく価格的には「工務店<ハウスメーカー」なのだということを知ります。ただ、同時に工務店のデメリットもわかってきましたので、地場の工務店とかの選択には抵抗がありました。ということで、次回は、青ざめた顔でさらに見積を取りに動くお話です。ただ、見積を取るといいますが、注文住宅の見積を取るには結構な時間と労力がいります。この頃には、週二日の賃仕事も辞めていましたのでなんとかなりましたが、現役時代ならもっと時間がかかったことでしょう。また、もっと年を取っていたら、今度は体の方に無理が出たかもしれません。さらに、注文住宅で家を建てると決めた以上、いたずらに時間をかけるとますます価格高騰の波を受けてしまい、経済的にも精神的にもきついです。今思えば、まだ気力体力も残っていて時間的余裕も持てた定年退職後のこのベストな時期に、家づくりに注力できたことは本当に良かったなと思っています。