ここんとこ、COOLPIX P310を右手に雨の日以外はほぼ毎朝散歩に出ている。何十枚も撮る日もあれば、一枚も撮らない日もある。カメラ散歩だもの、がつがつしてもしょうがない。それにしても、つくづくこのP310は、私にとっては最高のお散歩カメラだと思う。このP310を購入したのは、後継機種であるP330が出てからしばらしくして、型遅れ品として投げ売りされていたのをポチッた記憶がある。それまでは、リコーのRシリーズとかCXシリーズを買っていたのが、P310を手にした途端、これだ、これが俺の欲しかったコンデジだ、とすっかり惚れ込んでしまった。その理由を挙げてみると、以下の5点になるかと思う。
- 広角側24mm(35mm換算)から始まる画角
- ステップズーム機構
- F1.8の明るいレンズ
- 豊富なユーザーカスタマイズ設定
- 起動動作の機敏さ
常用レンズと同じ24mmだったこと
P310を購入した頃には、今と同じ撮影スタイルに落ち着きつつあったかと思う。主な常用レンズは24mmの単焦点レンズで、それに加え交換レンズとして50mmもしくは85mm、あるいはその両方を持ち歩くスタイル。サブカメラボディも持って出て、カメラ2台体制というのが定番だった。今は、重いのが嫌でカメラ1台に単焦点レンズ2本だが。とにかく、最も多用するのが24mmだった。それまで使っていたリコーのコンデジは、広角側は28mmだったので、これは単に記録用というか補助的なカメラに過ぎなかったのだが、24mm始まりのP310を手にしてからは、カラーで撮るときはP310という風に、モノクロフィルムを詰めた銀塩カメラと共に持ち歩く存在へと昇格したのだ。
単焦点の交換レンズを複数本持ってる感覚になるステップズーム
ステップズーム機構自体はリコーのコンデジにも付いていて、これが私としてはリコーのコンデジを機種を買い替えながら使い続けていた最大の理由でもあった。ステップズームというのは、レバー操作でズームの画角が24mm、35mm、50mm、85mmというように段階的に変わる機構のこと。当時のコンデジは、無段階的なズーム動作がほとんどだったかと思うが、この機能に私は狂喜したものだ。このステップズームがなぜ私に刺さったかといえば、これも撮影スタイルによるところが大きいが、要は単焦点レンズをワンタッチで交換している感覚になれるからだった。被写体を見つけたら、手持ちの単焦点レンズから適した画角のものを選択し(たいていは24mm)、あとは自分自身が動いて寄ったり引いたりして撮影を行う。この感覚でコンデジを扱えるのがうれしかった。当然、段階設定された画角以外では撮れないのだけれど、いやむしろ、特定の画角以外で撮れないことこそが重要だった。中途半端な画角とかで無駄に悩む必要がないのだから。これがレバー一つでできるというのはありがたい限りだった。
レンズにとって明るいF値は正義
まぁ、コンデジのレンズのF値が明るくても、その優位性は単焦点レンズとかとは比べるべくもないのだが、それでも明るいに越したことはない。撮影範囲が広がる。高画質で撮れる状況が増えるし、多少はボケを使うこともできる。まぁ、F値はズームの画角によって変わるので、このあたりは過大な期待はしないわけだが、やっぱりF値が1.8だとうれしい。カメラ好きならわかるはずだ(笑)。リコーのR8なんて、28mmでF3.3だし…



マニュアルを読み込みながら設定をいじくる
これも、リコーのコンデジにも言えたことだが、とにかくいろいろと設定を変えることが出来て、しかもその設定が保存されることが超重要なわけだが、P310もそれができて、撮影モードでの設定とは別に、ユーザー設定モードにも記憶させることができるのだ。私はスナップ撮影用にモノクロモード+MF+高速シャッターとかをユーザーモードに割り当てていた。コロナ禍以降は、街でスナップすることはほとんどなくなったけど、それ以前は結構スナップしていたのでとても使い勝手が良かった。まぁ、最近は料理教室で作った料理を記録したりすることもあるし、マクロ用に設定しておくこともできるので、なにかと重宝なことには変わりない。そして、私がP310で多用しているのは、カメラ前面にポチッと付いているファンクションボタンである。このボタンに好きな設定機能を割り付けられるのだ。私はここに、画質設定を割り付けている。これによって、ボタン一つで、3:2フォーマットと1:1フォーマットを即座に切り替えられるというわけ。P310で撮った写真に正方形フォーマットが多いのは、これが理由です。まぁ、最初にこの機能を割り付けたのは、来るべき中判カメラへの腕慣らしのつもりだったのは、ここだけの話(笑)。
小気味よい動作感
コンパクトフィルムカメラには及ばないが、起動ボタンを押してから撮影可能となるまでの時間が短い。手を下げて持っている状態から電源ボタンを押して、被写体に向けてカメラを向けた頃には、すでに撮影スタンバイ状態となっている。って、ほかのコンデジでも似たようなものなんじゃないの?と思われるかもしれないが、P310でスナップを撮っていたのでわかるが、あと少し起動が遅いとスナップ撮影には致命的なぐらいタイミングを失ってしまう。まぁ、今はそんな撮り方はしないので、強く主張するつもりはないが、それでも起動までの時間以外でも、いろんな動作が機敏なので、使っていてまったくストレスがない。



定年後にCOOLPIX P310を使うということ
と、いろいろP310の気に入っている点を挙げたが、現行の高級コンデジならどれも達成していてさらに優れた点があるのかもしれない。がしかし、まずは定年後に、他を差し置いて高価なカメラを購入する資金を確保するのは、難しいのだ。そして、やはり、かつて愛用したカメラを再び手にするというのが、定年生活者の心意気じゃないかとか思ったりする。私がコンデジで撮った枚数でいうと、このカメラが一番多い。かつては、常に携帯していたわけだから当然といえば当然なのだが、実はこのP310、とても堅牢だと思う。あまり言いたくはないが、それまで主に使っていたリコーのコンデジは、1万枚も撮らないうちに不具合が出たりしていたのだが、さすがはNikonなのか、P310は今も元気だ。そして、そんなちょっとしたことが定年となって現役を引退した者としては、なんかうれしいのだ。



と書いたのだが、実は定年後にP310で再び撮り始めてやらかした失敗がある。うっかり落としてしまい、それも石畳の上に落下させてしまったのだ。やばい!と思って、すぐに電源を入れてみて確認した際は、特に動作も問題なく撮影もできたのでほっとしたのだが、家に帰って撮影した写真を確認してみたら、画像に黒い縦線が雨だれのように写っているではないか。あちゃぁ、やっぱだめか、と思ったが、どうも撮影画像には異常はなく、液晶画面の方に問題があるようだった。つまり、落下した際に液晶表示部の接続端子かどこかがずれたかなんかで、液晶画面に不具合が出たのだろう。撮影画像には全く影響はなく、撮影する際にもほとんど支障はない。ただ、液晶画面で写真を確認する際には、黒い縦線がざぁざぁと降っているというわけ。この落下事故以降は、落下防止対策で必ずストラップを手首に通すようにしていて、そのうち肩掛けストラップにしようとか考えている。今後は加齢で握力も低下していくだろうから、定年後はこういう対策をしっかりやらないといけない。老いてもカメラを使うということは、こういうことでもあるのだ。一方で、私と同じで、こいつも持病持ちとなったのかと思うと、なんか妙に親近感が湧いてきたりしている。というのも、カメラ散歩を始めてから、それまでは痛みがなかった右足の膝も痛くなってきたのだ。痛いからといって歩かなくなれば、さらに老化は進むだろうから、無理をしないところを見極めながら散歩を続けている。散歩した後は、家庭用低周波治療器を膝に当てたり、時々湿布を貼ったり、マッサージをしたりなどなど、気を付けながらケアしていると、意外と調子よく散歩できたりする。これが老後というものかと苦笑い。カメラも体も、こうやって気遣いしながら使うのが老後の写真生活。そうやって、帰宅する時間を気にするでもなく散歩をしながら、写真をそっと掬い撮る。これぞ定年フォトスタイルだ。



なんてことを思いながら、お前の傷も少しは良くなったりしないかね、といつものごとく持病持ちP310の液晶画面を眺めていたのだが、「ん?なんか黒線、減ってね?」と気が付いた。いや、確かに以前より減ってるぞ。いつも手にもって歩いているということは、つまりは前後に振っているわけで、その微妙な振動が影響しているのだろうか。散歩の際の適度なGが治療になったのかもしれない。いっそのこと、とんとんと叩いてやれば治ったりして?とか思ったりもしたが、老後にそれは禁物。ぽっくり逝ってしまっては元も子もない。症状が少し良くなってちゃんと動けているだけで感謝しなきゃいけないのですよ、老後は(笑)。と、すっかりP310を自分に重ね合わせて、手に握りしめて散歩する日々。そうしたらですね、なんとまぁ、うれしい出来事が。いつの間にか液晶画面の黒線が全部消えちゃったんですわ。こんなこともあるんですねぇ。というわけで、今まで以上に大切に使っています。そうしたら、ご利益で私の膝の痛みも消えるかもしれないしね。



※掲載写真はすべてNikon COOLPIX P310で撮影。ブログ用に画像サイズを縮小してます。







