定年後の確定申告(2年目)

e-tax

河口風景 #164602

 今年も確定申告の時期がやってきました。昨年は定年退職した年でしたので年末調整もしておらず、課税対象外とはいえ退職金もありましたので確定申告はマストでしたが、今年も私は確定申告します。申告自体はe-taxを使うのでやりやすいです。私の場合、在職中に何かのキャンペーンなのか税務署の方が職場に来てe-taxの受付?をやっていたので、その場で申し込み受付をしてくれました。なので、方式としては、マイナンバーカードを使うのではなく、ID・パスワード方式になります。マイナンバーカードも持ってますがPCからだと読み取りとかめんどいので、これでいいかなと。それ以来、毎年確定申告の時期になると、税務署からe-taxの案内が送られてきます。e-taxのいいところは、手続きがPC+ネットでできるのもそうですが、申告するしない等について税額シミュレーションにも使えるとこでしょうか。これ、私のような低収入定年退職者にとってはとても便利なのです。そう、所得控除枠いっぱいまで使う調整ができるからです。

定年退職者こそ所得控除の把握と調整が必要

 現役時代は所得控除額を超えて収入があったので、やることは年末調整ではかからないふるさと納税とか配当控除のための確定申告でしたが、給与収入だけでは所得控除額を使い切らない定年後は、この枠をどうするかがポイントになります。基礎控除と生命保険料控除だけでも50万円ぐらいはあるんですが、そこに去年払ったお高い健康保険料の社会保険料控除が加わりぐっと跳ね上がります。さらに私の場合は、国民年金の学生のころの未納期間があってその分を任意加入しましたので、これもプラス。さらにさらに、これに加えてiDecoと国民年金基金合わせて目いっぱい(月額68,000円近く)掛けてますので、全部合わせると所得控除枠は200万円超えてます。で、この控除枠を何に使うかと言うと、これまでほったらかしで積み立ててきた投資信託の取り崩しです。特に利益がのっているものは取り崩すと譲渡益もたんまり出てきますので、そのままでは税金でごっそり持っていかれてしまいます。ですので、退職して数年間のこの所得控除がたんまりあるうちに利益ののっている投資資産は取り崩そうと、定年退職前から考えていました。ただ、取り崩す時点で相場が低迷していたらどうしようかとは思っていたんですが、ここのところの上げ相場状態で考えるまでもなく目いっぱい使うという判断になり12月中に控除額近くまで売却しました。ここらあたりは、相場が低迷していると判断が難しいところです。今取り崩さないで後に伸ばせば伸ばすほど、控除額が少なくなってしまい、税金のかからない範囲で取り崩そうとすると取り崩せる全体金額も減ってしまいます。年金受給前の低収入、無収入期間はある程度の額は取り崩したいですからね。

国民年金の任意加入とiDeco&国民年金基金

 60歳以降も会社の社会保険がある就労形態で働いている人はあまり関係ないですが、私のような低収入定年退職者で国民年金の任意加入をしている人は、任意加入している間だけ発生する所得控除があるので、この枠をどう使うかはよく考えないといけないです。ちなみに、私はもともとiDecoをやっていて月額限度額上限の月23,000円を掛けてましたが、任意加入で1号保険者になって月額限度が68,000円になったのですぐに掛け金を目いっぱいまで上げました。その際、iDecoだけではなく国民年金基金も加えてます。別にiDecoのみの掛け金を上げても良かったのですが、長生きリスク&認知機能低下リスク対応として国民年金基金の終身年金タイプを半分ほど加えました。正直、どのくらい組み合わせるのか迷ったのですが、最後の最後で、iDeco:国民年金基金=4:6ぐらいにしてます。もし、今判断するなら、6:4、あるいは全額iDecoもありかもしれません。というのも、仕組み上国民年金基金は固定利率でインフレリスクに弱いんですよね。また、掛け金を取り戻そうとすると平均寿命(余命ではないです。念のため。)を超えて生きなければいけません(笑)。なので、慎重に判断する必要がありますが、私の場合は60歳からの開始で数年掛けて65歳から受け取りという時間スケールと終身年金である(死ぬまでもらえる)ということで少し加えたわけです。

認知機能低下リスクと公的終身年金

 私が終身年金にこだわるのには訳があって、自分で自分の資産管理もできないぐらい認知機能が低下した場合、一瞬にして根こそぎ金融資産を失う(売却や解約してからだまし取られる等)リスクがあるからです。これに対して対応できるのは、毎月保険金が支払われる終身年金でしかも解約という概念がない公的年金しかないからです。(あと、持ち家で資産化しておくというのもありですが。)国民年金や厚生年金がそれですが、国民年金基金も同じで解約や解約返戻金という概念はありません。ただし、国民年金基金には、繰り下げ制度もなければ物価や賃金に連動して支給額が変わる制度もありません。つまりインフレ対応という点ではデメリットがあるわけです。ま、今となっては極端なインフレに陥らないことを祈るしかないので、気にしないことにしました。(笑)

投資資産取り崩し調整したつもりが…

 投資資産を取り崩すにあたっては、所得控除予定額を自分で集計して時期分散しながら何回かに分けて売却しました。最後は源泉徴収されている配当金を申告することで調整しようと思い、余裕をもって控除残額を残しておくつもりでした。が、年末が近づくにつれ日経平均が爆上がりしちゃってもうちょい売っておくか、と。ま、年明けてさらに爆上がりしてるので、そこまで売る必要もなかったのでしょうが、このあたりは、いつもの投資心理戦です。で自分としては、まぁいい具合に取り崩し調整できたかなと思っていたわけですが、実際に確定申告する時期になると考慮していなかったものが出てきました。何かというと、個人年金保険の受取りです。

10年確定個人年金保険

  もう20年よりもっと前ですが、金融投資とかに興味を持っていろいろ調べていた頃に掛け金の保険料控除ができる個人年金保険ということで、10年確定の個人年金保険に保険料控除額かつかつの年11万円ほどの掛け金でネットで加入申し込みしていて、その受け取りが60歳から始まっていました。加入した動機は、一般の生命保険料控除とは別建てで年間10万円までの控除があるというのでお得だと思ったわけです。ある程度金利変動にも対応しているものでしたが、現実は低金利時代突入で結局年金額の上乗せは発生せず、でした。まぁ、長いデフレでしたから当然です。なので、もともとの予定利率分だけだからそこそこだろうと思ってたのですが、給付が始まった年金額には3割ほどの利益が含まれていました。そう、複利効果恐るべしです。一応、計算シミュレーションサイトで試算してみましたが、予定利率が2.3%ぐらいあったようです。(記憶でもそれぐらいの予定利率の保険商品でした。)で、この分は雑所得となりますので申告しなくてはいけません。さらに間が悪いことに、年金受け取り手続きがもたついて、受け取りが年を越してしまい、2年分をまとめて受け取っていて、控除額をちょろっと超えてしまうことに。誤算でした。これで住民税の方は完全に控除枠を使い切ってしまいましたので、配当控除の申告はしないことにしました。私の場合、申告による還付額以上に国民健康保険料が増えてしまうからです。

来年の確定申告に向けて ~TOB成立による強制買い取りなどなど~

 200万円ちょっとの控除枠を使い切ってしまいましたので、来年の国保も結構な額となります(泣)。来年申告分(今年の所得分)の控除額は、年金保険料等の前納がなくなるのと国保も今年度よりは下がるので、今年よりは少なくなります。次回は絶妙の資産取り崩し調整を目指して頑張ることにします。やはり、早めに控除額の試算をしておいた方がよさそうです。それから、今年はTOB成立によって買い取られる株があって、来年はその分の申告が必要です。以前もNTTドコモでそれが発生して、市場で売っちゃうつもりだったのですが、お恥ずかしいことに株式を所有している証券会社がわからなくて売れずに強制買い取りとなったことがありました。市場で売ってたら、損の出ている株と損益通算できたのですが、強制買い取りされちゃうとアウトです。仕方なく翌年の確定申告で申告しましたが。あとでわかったのですが、証券会社の事業合併等で同じ証券会社に二つ特定口座を開設している状態となっていたらしく、NTTドコモの株はその隠れ状態の口座にあったのでした。ちなみに、このTOB成立後の強制買い取りは要注意のようです。NTTドコモ株については、申告漏れで指摘された個人投資家も多数いたとの報道がありました。最近、TOBなんて頻繁にありますから、これにあたるケースも結構あるかと思います。
 それにしても、やはり確定申告はいろいろあって大変です。今年も住民税関係で制度変更ありましたし、認知機能が低下したら自分ではできなくなるだろうなと思ってます。投資運用をいつやめるかについては、常に心にとめておく必要がありそうです。

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