定年後の金勘定 ~新NISA始まる~

隠れ富士 #3887739

 今まで投資のことはあまり書きませんでしたが、私自身は投資については2000年代初めごろからちょろちょろとやっていました。ちょうど特定口座が始まる頃だったと思います。このあたりの話はまた改めて書こうと思っていますが、「やっていました」と過去形なのは、投資信託の積み立てから始めて、株の取引きなんかを熱心に4、5年やったあと興味を失い、ほったらかしていたからです。なので、ここ5年前だか、「ほったらかし投資」というワードが語られているのを見て、「お、俺のこと言ってる?言ってるよね?」って思った次第w。株取引はしなくなったけど、投信の積み立てはそのままほったらかしてて、リーマンショックの際も全く無頓着でした、というか資産状況も見向きもしなかった。その後に、投資に再び興味が戻ってきたのは2017年ぐらいで、この時にNISA(旧NISA)を始めています。ちなみに、始めたのは一般NISAの方で、結論から言うとこれはとんでもなく使いにくい代物でした。よほど国民から税金を絞る機会が減るのが嫌な奴らが、横槍何本もブスブス刺してきて、こんなけったいな制度になったというのか、まったく、どうやったらこんなへんちくりんで使いにくいものが出来上がるのかというぐらい使いにくい。ま、そもそも一般NISA選んじゃってそのままズルズル来ちゃったてのがいけないわけで、今さらですが、まだ積立NISAにしておけばよかったかなとは思います。思いますけど、年40万円ぽっちじゃなぁ…

 とまぁ、使いにくい旧NISAで、安定高配当株とかREIT指数のETF運用中心に切り替えてなんとか使ってた身からすると、今年始まった新NISAは申し分ない使い勝手の良さではあります。ただ、老い先長くて二十年ちょっとぐらいな定年退職者にとっては、どのように使うかは考える必要があるのも事実です。そして、もし新NISAから投資を始めようという定年退職者がいるなら、自身の経済状況等も考慮してかなり慎重に思案するべきだと思います。なんせ、若い人と違って時間がないのですよ、残された時間が(泣)。まぁ、それでも20年あればなんとかなるとは思うけど、定年後に投資デビューする人は、この残された時間の少なさが、含み損を抱えた時の精神的ダメージを倍加させるのではないかと思うのです。加えて、定年後は収入がどんどん増えるなんてことは想定できない現実がありますし、健康面での突発事象が発生する確率も上がっているわけで。悩ましいんじゃないでしょうか。

 あるいは逆に、世間で「新NISAやるっきゃない」とか囃し立てられると、これはこれで焦りそうですよね。このあたりは、もう何十年も前に投資デビューしちゃって、そこそこ含み益もあって、ぼちぼち取り崩しに動いている身では、感じ方がわからないというのが正直なところです。投資って、自分自身を知ること、自分自身との闘い、みたいなところもあると思うので、そのあたりの経験の有無をどう考えるかなんですが。あとですね、さらに言っちゃうと、残された時間よりもリスクだと感じているのは、自身の認知機能の衰えです。一応、今の私の資産運用計画では、75歳までで積極運用はすべて止めて、80歳ぐらいで預貯金へシフトしてしまう考えではありますが、うまくいくかどうかはなんとも言えません。なので、定年後は、ほったらかし投資ではだめでしょうね。

 まぁしかし、ちょっとぐらいスリリングなことがあった方が、老後も活性化されると捉えて、あれこれ思いめぐらすぐらいが刺激があっていいのかもしれません。でも、定年後は「ほったらかし投資、ダメ、ぜったい」ってのは悲しいかなぁ。ほったらかし投資、私に合ってるんだけどなぁ。まじで、ものほんでほったらかすから、私。放置プレイ大好き人間ですw。

 (追記)後から知ったのですが、「ほったらかし投資」を標榜されていた経済評論家の山崎元さんですが、今年1月1日に患ってられた食道がんのため亡くなられたとのことです。この方の書かれる投資関係の文章は、私も目に付いたら進んで読んでいて、いつもうなづける内容でした。営業トークやポジショントークとは無縁の忖度ない内容なので、投資を始める普通な人にはお薦めです。しかし、65歳で亡くなられるとは残念で仕方ありません。老後の投資の考え方などについて、先行する先輩としてこれからもいろいろ読ませたいただきたかったです。ご冥福をお祈りいたします。

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