カメラを変えるということ

自転車の遠乗りにEOS7 2台をウェストバックに詰め込んで出掛けた。
重さはともかく、EOS7の容積はそこそこあるので、
2台入るかどうか少し心配だったが杞憂だった。
レンズは、新たに購入したEF24mmとEF100mmマクロ、それにEF50mm。
これでますます6D購入が遠のいてしまった。

今春から大判カメラや中判カメラで撮り始めた時は、
当然だけれども撮影スタイルは大きく変わったわけだが、
今回は同じ35mmでしかも一眼タイプなので、
AE-1PからEOS7へ変えたところでたいして違わないと思っていた。
が、実際は違った。

MFからAFになったこと。
これも違いといえば違いだけれど、広角24mmについて言えば、
最終的には、AF要らんな、ということでMF撮りしてた。
EOS7のファインダーは、MFピント合わせにはあまり向いていないけれど、
合焦アシストがあるので、特に問題もない。
それよりも、意外だったのは内蔵露出計による違いの方だった。
EOS7には、評価測光、中央重点測光に加えて、
中心部分10%を測るスポット測光的な中央測光というのがあるのだけれど、
これが私に結構な影響を与えてくれた。
結論から言うと、測光が面白くなった。
測光部分の選択で、露出値は大きく変わるのだから、気をひかれる。
露出に気をひかれると、つられてどこに露出を合わせるかに意識が向く。
今まで使っていた中央重点測光では、ここまでの意識はなかったし、
実際の測光値も俊敏に変わるわけではない。
ところが、この中央測光というのは、ころころと測りたいところの露出値を返してくれる。
ここで露出を合わせるか、いや、こっちか、などなどなど。
おもしろい。
ちなみに、私はAEは使わないので、
カメラの露出計で測光してマニュアルで露出を設定している。
スポットメーターのような単体露出計で撮影を行っている人は、
このようなことをしているのだろうなと想像した。
確かにスポットメーターが欲しくなるはずだ。
スポットメーターは高嶺の花だが、1台数千円のEOS7で似たようなことができるのだから、
さらに笑みが漏れるというものだった。

かように、カメラのもつ仕組みや機能が撮影者に与える影響とは結構なものなのだなと実感した。
そう考えると、銀塩一眼レフの最終形態カメラとは真逆の位置にあるトイカメやら
年季の入ったクラカメなどは、スナップ的に撮っている限りは、反対に露出から意識を遠ざけ、
他のもの、被写体やら光の状態やら、あるいはコミュニケーションやらに気を向かせるのだろう。
(もしくは、単体露出計で丹念に露出を決定する儀式を要求するかだろう。)
それはそれで楽しいに違いない。
これもいつかは体験してみたいが、急ぐことはない。

私がカメラを変える機会を意図的に少なくしているのは、
こういった変化がもたらしてくれる刺激や影響を楽しむためでもあって、
それをじっくり反芻しながら自分の中に取り込むのが喜びなのだ。
こういった楽しみ方には、カメラ自体に1343ulftrafineextreme100_013余計なプレミアムやら妖しい魅力やらは乏しければ乏しいほどより好ましい。
そういう雑念やら煩悩をもたらす要素は少ない方がよいのだ。
銀塩最終世代のプラなカメラ達は、この点でも、私にはまさにうってつけの存在だったと思う。

カメラを変えるということ」への6件のフィードバック

  1. スポットメーターを使っていた頃もあったのですが、いつのまにか露出がいい加減になってきました。私が持っているカメラでスポット露出ができるカメラはMZ-Sだけなので、これにリバーサルをつめて感覚を鍛えなおす必要があるかもしれません。

    • スポット測光(EOS7の場合は中心部10%ですが)のある銀塩カメラを使うのは今回が初めてでした。露出計自体もまだ新しいので信頼できるし、ポジ撮りいいんじゃね?って思い始めてきたところでした。
      それまでは、正確な露出は測れないカメラだったので、いまひとつリバーサルに気が乗らなかったんです。(カメラの露出計チェックのためのリバーサルみたいなところがありました。)
      が、ここまで露出をコントロールできるとなると、ちと話が変わってきます。
      それと、ネガカラーのプリント状況がだんだん悪化してきていること、そしてネガカラーのスキャンは思いくそ手間がかかること、これらを考慮すると今のうちにリバーサルを楽しんでおくのも手かも、と。
      今秋の紅葉撮り、リバーサルでいっちゃおうかな…=^_^=

    • MZ-S、さっきネットで見てみたら、なかなか良さそうなカメラですね。
      特徴のあるジャミラスタイルもカッコいいです。
      EOS7が量産型ザクなら、MZ-Sはシャア専用ってとこでしょうかね。
      =^_^;=

      • 赤くはありませんよ。
        このカメラは家族で出かけたり運動会などのイベントがあるたびに使っています。

  2. 「カメラのもつ仕組みや機能が撮影者に与える影響…」
    それは、相当にあるだろうと思います。
    写真は撮影者が撮るものだけど、じつはカメラにも随分と撮らされている。
    前々からそれは感じていました。
    EOS的なプラスティックなカメラは、これまでも全然無縁で
    触ったことすらないので、何だか知らない世界の話みたいです。
    いざ、そういうカメラを手渡されて、写真を撮ってごらんと言われたら
    はたしてどの程度いつもの自分の写真が撮れるんだろう??

    • わたしはデジタルカメラから実質的に写真はじめたので、最終銀塩世代のプラカメに違和感はないんですが、撮影スタイルはデジイチを使っていた頃とはかなり違ってます。例えば、今はAE使わない。けど、ファインダー内情報が豊富なので、結構忙しい感じ。AFもピントを合わせたいところを指示する感じ。合理的なんだけど失ったものもあるような。でも、MFオールドスタイルとは違うものも得られる筈なので、しばらくこのスタイルで撮りつづけてみるつもりです。
      写真になんらかの影響が出るのかでないのか、それは写真を見てわかるものなのかそうでないのか、ちょっと興味をひかれます。

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