石内都さんの、
ヒロシマの原爆で亡くなった方の遺品を撮影した
カナダバンクーバーでの写真展のドキュメンタリー。
こう書くと、悲惨な写真のイメージがあるかもしれないけど、
いきなり目に飛び込んでくるのは、
美しすぎるほどのカラー写真。
番組の中で、それらの写真を追い、
さまざまな人たちの
多様な言葉を聞くうちに、
写真が息吹くのを感じる…
TVを通してこれだけ響くのだから、
実際に見たら、どれほどだろう…
見続けることでイメージが変わり、
観る者自身も変わる。
「見続ける」ことが可能な写真というものの力。
撮影風景や、石内さんのインタビュー、
観覧者のコメント、
そののち、再び写真たちを観ることで、
また新たな気持ちが呼び起こされる。
「繰り返し観る」ことができる写真というものの力。
「美しく撮ることで、悲惨な現実を美化する危険性を
考えませんでしたか?」
という、美術専攻学生の質問に、
実際の遺品はもっと美しいのです。
その美しさをそのまま撮った。
と言う風に答える石内さん。
その美しい遺品の向こうに感じる
生きてそして死んでいった人たちの姿。
「被写体を透かしてその向こうへ想像力を誘う」
写真というものの力。
2時間近くありますが、
豊かに思考し感受できるドキュメンタリーです。
明日、NHK BS1で13時からまた放送されるようです。
そして、この番組を私に教えてくれた、
IMA ONLINEに感謝します。